総合医学研究所の理念は、東海大学における医科学先端研究の中核拠点となるべく、基礎医学と臨床医学の有機的融合を通じて、疾患の病態解明と新規の診断・治療法の開発、さらには創薬研究を推進して、社会に貢献することにあります。そのため、医学・生命科学・理工学・農学の各学部・大学院との連携により医科学研究のさらなる発展を図るとともに、若手医師の研究を活性化させて幅広い人材育成の受け皿として機能することを運営目的としています。
1980年の創設以来、とりわけゲノム・再生・創薬の各分野において顕著な業績を挙げ国内外に発信してきました。その一端は、多くの研究論文や出願・取得特許とともに、歴代の研究所長・研究所員が「21世紀COEプログラム」、「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」、「学術フロンティア推進事業」、「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」など、幾多の文部科学省の大型研究補助事業の代表者を務めてきた実績からも伺い知ることができます。
■新たなコアプロジェクト研究制度
総合医学研究所のさらなる発展を目指して、2024年度より「オミクス」、「脳神経」、「感染免疫」、「再生医学」「病態生理」の5部門に再編するとともに、各部門長に若手・中堅の教授・准教授クラスを任命しました。その目的は、単なる名称変更や部門長の若返りに留まらず、部門内・部門間の連携をいっそう推進し、優れた個人研究を研究所としての「旗印」(研究所プロジェクト)に昇華させる仕組み作りにあります。
またこれに伴って、従来は1年毎に指定してきたコアプロジェクト研究を、研究所プロジェクトとしての成果を期待するコア1(最長3年)とプロジェクト研究への発展の可能性を問うコア2(最長2年間)に改編し、一定の研究期間と研究費を集中配算しました。前者については初年度から外部評価者を配し、キックオフミーティングを開催します。
■これからの特別研究所員制度
次代を担う若手研究者の育成を目的に2015年度から開始された特別研究所員制度では、これまで多くの優れた研究者を迎え入れ、総合医学研究所の発展に大きな貢献を果たしてきました。実際、今年度任命された新部門長の大多数が、本制度を通じて登用された研究所員であり、今では研究所の大きな推進力となっています。2024年度も、後述する2名の特別研究所員が参画し、活発な研究活動を行う中で他の所員との共同研究も生まれてきています。
上述した部門再編に伴って、これまでと同様に幅広い分野に優秀な人材を求める方針に加えて、例えばコアプロジェクト研究をいっそう発展させるために関連分野の優秀な人材を戦略的にリクルートするなど、今後の特別研究所員制度の活用について研究所内で活発な議論が続けられています。
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